fukkatsuのブログ

鬱病治療中の日記です

今回は企業の人事やセキュリティ担当者に読んで欲しい事

 今回は鬱になった直接のキッカケについて書いておきたいと思います。鬱になるまでには様々な過程や要因がありますから、この「キッカケ」だけで鬱になったとは思いませんが、企業の情報セキュリティ(と人事管理)に関係するので、もし「うちもリモートワークが増えるに従ってメンタル不調の社員が増えたような」と言う兆しや傾向が見えたら参考になれば幸いです。

 

 さて「キッカケ」ですが、勤め先のあるプロジェクトに「火が着いた」状態だと言うので、誰かサポートできる要員が必要だと言うことで私にお声が掛かりました。サポートは管理業務のお手伝いを意味しています。これは私の苦手とする所だと以前から言っていたのですが「代わりがいない」「お前の主要業務が無い」などの理由を挙げられては逆らいようもありません。オマケに「来年度の目標設定も、これに関連して書け」と言われて、いわば口約束だけではなく、公的に「苦手な仕事」が主務になってしまいました。頼んでいる側とすれば、「Excelを整理する簡単なお仕事」となるのでしょうが、この手のプロジェクトは一般的に「計算式と手計算、前回報告書の転記がグチャグチャに入り混じっていて担当者以外には解りようのないExcelを整理するお仕事」だったりします。

 案の定、プロジェクト側から送られてきたExcelガントチャートは、この状況でした。与えられた助走期間は1ヶ月。この中で質問表を書き、返信される回答内容を自分の中に落とし込む。と言うのが最初のミッションです。が、質問表のやり取りには何を思ったのか「営業を経由してほしい」と言う同じ社内にあって、余計な経路を作られました。これが、まず最初の「キッカケ」となるバリアになりました。質問表を送っても、それがプロジェクト側に送られているかどうかは判りません。結果として2週間後に、そして追加の質問も助走期間の終わりに纏めて回答が送られてくる状況です。その間にも資料は見て、質問表に追記を重ねて営業には連携をしましたが、梨の礫。恐らくプロジェクト側としては「充分な助走期間を与えたのに意外に質問が無いねぇ。やれやれ」と思ったでしょう。(行動認知療法の対象ですね)。

 そして助走期間が終わり実際のプロジェクト資料を共有されます。すると、それまでの過去資料と違い、計算式の無い「合計」セルが多量に存在しているのです。作成者に尋ねると「○○のExcelから転記している分。これからは、それを踏襲してね」との回答。更に○○のExcelとも辻褄の合わない数値が出てくると「報告書に書いちゃってるからねぇ。まぁ、そういうものとして理解して」と。「ほ、報告書?!。それが完成するまで、書ききれないということですか?」と尋ねると、「ま、そういうことだけど、対象の欄って、一つだけでしょ」と回答。しかし、報告書の作成完了のタイミングは自動的には連携されません。言ってみればプッシュされて来ないのでプルするしかないのですが、幾らプルしても「まだ時間掛かるみたいよ」の繰り返しか既読スルー。

 あ、この時点で作業はリモート。コミュニケーションツールはZoom・メール・SMS・Teamsだったかな。これも使い分けは担当者次第。メールで招待状が来ていれば判りますが、この他にイントラのスケジューラーに記載された打ち合わせもあり、それがアドホックに追加されてくるので、頭の中のカレンダーはExcel同様、グチャグチャです。

 そして、リモートワークの前提に少し話を振ります。弊社では原則として、

  • モバイルPCが貸与されていれば、それを使用する
  • 貸与しているiPhoneでのテザリング接続を行う
  • 作業場所は自宅か社内のみ

となっていました。モバイルPCはそもそも、13インチ。持ち運びでノマドワークするには最適な良いPCなのです。が、ガントチャートの様に縦横にスクロールが必要な資料には不適。担当者には「自腹でモニター買えば?一万円ぐらいでしょ」と推奨されましたが、そんないつまでやるのか判らない仕事に一円でも遣いたくないと思うのはケチでしょうか…。ともかく、会社から与えられたPCで仕事をすることに決めました。毎日、小さなExcelを見ていると15時ぐらいには目が霞んできます。目薬無しでは一日が乗りこられません。すると突然、SMSでZoomの打ち合わせを申し入れられます。どうしても数字が合わずに質問をメールやTeamsで送ってもZoomで口頭で回答(やら、そういうものと言われて)完了。遅延があれば「仕事してましたか?」となる。それでいて「顔を見ながらやりたいんでカメラONにしてくれる?」。これは拒否。ただでさえ拒絶反応が出始めているのに、顔を見たら更に壊れそうになりますしね。それが自宅の中で足止めされたように行われる。外に出るのはタバコを吸うときだけ。Zoomが終わると奥さんが「酷い脇汗だね」ってくらいにストレスばかりが残る。外に出て仕事ができれば、少し視線の先の景色が変わった分、気持ちも変わったのかもしれませんが、毎日、自宅ではそうともいかない。最終的に「俺って水槽の中の金魚みたいだな」と実感として持ったところで厚労省に相談→精神科へ。と言う流れです。

 まず、リモートワークなら、ポジティブリストではなくネガティブリストで環境選択の裁量を社員に与えられないのでしょうか?つまり「自宅でなら良い」「会社携帯ならOK」ではなく「ファミレスなどの公衆WifiはNG」「セキュリティ対策として○○と○○がされていない家庭WifiはNG」「後ろから覗き込まれる環境はNG」「偏光フィルタで脇から覗き見されないPCはNG」などです。やってはいけないことをリストアップすればグレーゾーンがなくなるはずです。実際、プロジェクトメンバーの中には自己所有のPCで作業をしている者もいるのです。会社は関知しない姿勢のようですが、規則的にはNGです。これがグレーゾーンの一つです。会社としてはあたかもオフィスのデスクがそのまま自宅に移送されたような環境を想像して規則を作っているようですが、これは非現実的です。環境が変わる事でオフィスでは起き得ない事が起きるし出来るんですよね。そして、管理も目に映らないところで動いている分、裁量労働制に近づいてしまう。8:55に起きて9:00にタイムカード登録をして、16:00にはビールを飲み始めて17:00

にタイムカードを締める。これって、実はとてつもない「非生産的」な事だと私はおもってるんですよね。タイムカードの時間に合わせて朝礼・夕礼や打ち合わせがあるなら兎も角、一定の締め時間までに労働が終わっていれば良い。質問を投げる時のツール、回答に対する満足度や粗さを問い合わせ者だけではなくチームで見守る。1:1や1:Nでのリモートはとてもストレスフルだと私は思います。

 私自身、ヨーロッパやアメリカの会社で務めていました。本社はもちろん、その他のブランチにいるスタッフともコミュニケーションを取らなければ仕事は進みません。そこで鬱になるほどストレスを溜めたか?答えは「NO」です。彼らにとって問い合わせがあれば、相手が納得する(それは相手の意思とは違う回答かもしれませんが)事が重要な訳です。だから、しつこく聞くほど、こちらで抱えている問題の「根」が共有され、いずれかの段階で妥協案や回避策、結論が導き出される。しかし日本の場合、そうはなりません。回答を返しさえすれば問い合わせは完了。しつこく聞く事は無知の現れ。そういう社風・文化になっていませんか?私の通算での日本企業務めは決して長いものではありませんし、もしかしたら特殊な会社に努めているのかもしれません。そして、私自身、日本の会社にいるとネチッコい質問からは逃げたくもなります。でも、それでは解決策は出せませんよね。

 先程書いたような、PCなどの利用規則も基本的に海外はネガティブリストです。それも極めて簡単だったりします。寧ろ、オフィスで使うPCの方が使い勝手が悪いくらいにガチガチにされていたりします(😁)。外で使うPCはハードディスクが暗号化されていればOK。後はネットワーク・セキュリティを掛けて通信端末経由でクラウドにアクセス。That's All.です(たぶんw)。私の知る限り、ディスクレスPCなどを導入している企業もありませんでしたし、それは「避ける」べきと言う話も聞きました。例えば私のようにプリセールスを中心に活動していた人間は、個別の顧客向けにプレゼンや資料を用意します。これをクラウドに全部挙げていると、通信状況によって「あっ!あそこ直したい!」が飛んでもなく面倒な事になりかねません。それだけに、そういった資料は手持ちにしておき、使用が終わったところで「マスタープレゼン」とか「○○社向け」などのフォルダーでクラウドに上げ、共有しておくんですよね。何でもかんでも「クラウドで問題解決」ではなく「持ち場持ち場の役回り」に適した環境を用意する。コミュニケーションツールも同じです。酷いケースではZoom/Teams/Chatter他色々を一遍に使っていました。そのライブラリアンもいないので、折角共有しても「あの資料は?」と言われると「あーーんと…Teamsの○○の…に入れたような」「確実な話してくれる。で、そのフォルダにあったとして、アクセス出来る人は?」なんてことになる。昔ながらにVPNでも通して社内LANに繋いだ方がよっぽどマシ。なんですよね。リモートワークに便利なツールを野放図とは言わないまでも、ルールを決めずに使う事ってどうなんでしょうね。

と、長々と書きましたが、要点として

・プロジェクトや役割に応じて裁量労働制も視野に勤怠・業績管理をすべき

・コミュニケーションツールや勤怠管理システムは一元化、あるいは最小限に抑制すべき

・個別の会話(コミュニケーション)も公開の対象とすべき

・同じ質問が重ねて出ることは、相手が納得していないシグナルと考えるべき

・プロジェクトの原理原則として「合理性」があること

そして、これは日本の「IT開発プロジェクト」ってやつでしばしば感じるのですが、プロジェクトプリンシプルがあやふやになっているように思うのです。原理原則ですね。良くIT屋が「あそこのシステムは、ツギハギだらけだから、修正開発のプロジェクトが大変で」と言いますが、実はプロジェクト自体がツギハギで膨張してしまい、管理がどんどんおざなりになっていきます。目くそ鼻くそって奴です。合理性のないプロジェクトだから「そういうもんだから」で、根拠のない数値(達成率など)が毎週報告され、結果として予定週を過ぎてもできなかったり、あるいは先週までの4週間で達成率20%、今週は100%という管理してんのかぁ?間に合えばそれで良いのかぁ?と言う事も当たり前に起こるわけです。これを不合理と考えたのが多分、私の精神を蚕食していったような気がしているんです。

という事です。なんかボロボロの内容でスミマセン。でも、セキュリティの為なら、何でも「固くする」のが正解だとは思いませんし、人事が「現場優先で」として放任しておくことで、現場のスタッフが離職していくことって…。良いんですかね?

偶の事に仕事の事を考えてしまって、壊れましたね😓