fukkatsuのブログ

鬱病治療中の日記です

前回記事の訂正として

 この投稿を書くまで「四魂」は伝統的な考え方だと思っていたのですが、改めてWikiなどを見ると平田篤胤の弟子である本田親徳が出所となっているようですね。でも、とても良い概念だと思うので、改めてWikiなども参考にしながら、書き進めたいと思います。
 四魂は一つの霊に4つの側面がある事を言います。
1) 荒魂
2) 和魂
3) 幸魂
4) 奇魂
です。荒魂は、神様なら荒ぶる神と言われるような状況。「勇」を指すと言われています。熱田神宮でも最も神聖視される「一之御前神社」には天照大御神の荒御魂がお祀りされていると言います。天叢雲剣をご神体とする熱田神宮には最も相応しいでしょうし、私のような凡人では、時に抑えきれないほどの荒魂が出てきちゃいます。
そして、一つ飛ばして幸魂ですが、これは人を慈しむ心、育成する愛の象徴のような側面です。どんな極悪人でも、必ず心のどこかに、この魂が宿っていると思います。
また奇魂ですが、神社によっては所願が奇跡的に叶うようにということでしょうか、唱え言葉の一部に「奇み給え」と入っているところがあります。
そして和魂です。「にぎたま」と読めば、聖徳太子の十七条憲法の「和を持って貴しとなす」と言う人々との調和や親交を示す側面です。平らかにそして、団結する意味をなすと思います。そして、この和魂の別の読み方「やまとだましい」が集まり巨大化すれば「大和魂」なんだなぁと思ったのは、昨日の投稿でも書いたところです。
 さて、この四魂を考えると荒魂と和魂とは相剋関係にあるように見えます。が、実際には、一つの霊、つまり一柱、あるいは一人の中にある側面です。決して矛盾はなく、ある時には一人で、場合によっては団結して(大和魂)で荒魂を顕して戦うこともありますよね。それは、小さな企業が市場に打って出る時も時にも必要な事です。
 寧ろ、この四魂と相剋するのは、やはり「漢意(からごころ)」ではないでしょうか。皆で必死になっている時に一人クールに「うーん、無駄でしょ。だって相手は大きいんだから」などと気取っている様を何度も見てきました。逆に一人が熱く闘っているのを「リスクは?」「顧客規模が大きすぎる」「うちがプライムでは受けきれない」「これをやって横展開できるの?」など漢意丸出しで責任を一人に押し付ける漢意のお歴々と何度対面してきたことか(笑)。これより酷いのが「このお客さんは大事なところだから、お前にしか頼めない」と言って、行ったが最後、何の応援もなく「いやぁ、俺たちにはどうにもできない」「一旦、引き受けたんだから、最後までやり通せ」ということもありましたね。
 なぁんて、嫌な思い出を引き合いに出してしまいましたが、この漢意と言うのは、別に「漢」と言う国を指しているわけではなく、私達の若しかしたら5つ目の魂に刷り込まれているかもしれませんし、西洋人(俺は明治の人かっ!)でも少なからずいます。いや、多いでしょうね。
 そんな中で和魂(やまとだましい)を貫きすぎれば、結果、私のような鬱患者も出てくるのは必至です。では漢意に迎合すれば良いのか?これも違うと思います。いや、漢意に心を売っている人なら、治すべきですし、染まりきっていなければ和魂を大切にして欲しいのです。それは、日本が「ものづくり」の国だからです。
 今や大きなメーカーの多くが中国や東南アジアなど海外に生産拠点を移しています。しかし和魂が入った製品だから日本メーカーとしてのブランド力として売れるのだと思います。一方で、矢鱈と合理化や欧米の経営方針を取り込んでしまった結果が、徐々に増える自宅内のヨーロッパブランド製品へと移り変わる様に現れているのではないでしょうか?それでも、基盤となる素材や技術には、まだまだ日本製が必要とされています。ブランドはヨーロッパで、中国製となっていても、使われているベアリングや製造過程に必要な洗浄剤など日本製品がなければ組み立ても販売もできないものが多いのです。人に見えない所で、コツコツと研究開発を続ける大和魂が、これから、もっともっと必要とされる。と私は思っています。
 一方、同じものづくりに入るのでしょうか。IT、特にソフトウェアは展望が無いと考えています。これは造り手の責任もありますが、買い手・利用者の責任も大きいと思うのです。ECサイトを見ていると、AMAZONに比肩しているのはヨドバシぐらいかなぁ?と思います。楽天やビックなども頑張っていますが、使いやすさやコミュニティとしての機能まで網羅して使い手、買い手の事を考えているサイトは少ないと思います。これが金融になるとトンデモなく酷いですね。今、ある保険会社と支払いについて協議をしていますが、まず、申し込みサイトがとても使いづらい。代理店の人と会話しなければ、一応、IT屋でECやオンライントラベルの仕事も利用もしてきた人間には使える代物ではなかったことだけは覚えています。そして、そこに書かれていると言う重要事項も、まるでロゴバナーに埋まるように記載されている。
 バナーが横スクロールでもしていたり、ブリンクしていれば、目が行くでしょうが、一旦、そのサイトに入ってしまえば、バナーを見る人は少ないのです。重要事項だってバナーに埋まるように書かれていたら、見落とすことは自明の理でしょう。

 それを読まなかったと言うことで、私は加入していた保険で保険金が降りないそうです。そこで、幾つか、前回記事でお勧めした保険加入について、教訓として書くことにします。

1) もし対象の疾病に罹った時、何らかの支援策が設けられているか

 鬱の急進期を経験すると、その間に書類に目を通すだけでも難行苦行になってしまいます。特にWebでの加入商品が増えている中では「それがWebです」の一言で、加入者の自発的な行動が必要とされてしまいます。これでは保険料を支払っても見合った保険金を貰う事が困難です。商品のカバレッジとなる疾病だけではなく、どのような付帯サービスが有るかを確認しておきましょう

2) 責任開始日

 自動車保険や火災保険など損害保険は、非常に短い期間、代理店での契約→責任開始日設定が可能です。しかし、疾病などの障害に対する保険は、責任開始日が一ヶ月や二ヶ月経過後とされるものがあります。私が正にこのケースに引っかかったのです。保険に加入したことで安心して、急速に鬱症状が進行してしまい、病院に行ったのが責任開始日以前だったことから、保険の対象外とされました。もし、頑張れるなら、良き保険商品を見つけ契約をした後、責任開始日以後に通院を開始することをオススメします。

 ただ、これは完全に矛盾ですが、鬱は早期に治療をした方が、恐らく寛解までのサイクルが短いと思われます。だから、本来は、保険会社が責任開始日を出来るだけ短い期間設定にして、鬱を疑っている人が安心して通院できる環境づくり(商品設計)が必要だと思うのです。

 この事があったので、昨日の投稿は危険と考えました。

3) 揉めた時

 契約時の問題は、どの保険会社も営業が主体窓口になるケースが多いようです。純粋に支払いとなると支払いが窓口になるのですが、この連絡・責任体制が曖昧な場合、加入者には地獄です。しかも大手の団体保険となると営業が主体になった瞬間、慣れない「BtoC」の対応をするため、まるで素人と変わりません。いや、素人の方が責任感を持って対応してくれるようにすら思えます。つまり営業は通常「企業」を相手に商売をします。特に損保の場合、直接ではなく「代理店」を経由した営業しか経験していないのです。それが加入者との対応となると、情報の連携が図れず、問い合わせ1つに対して、ノーレスも珍しくありません。これが代理店が動いてくれるのであれば、まだ良いのですが損保会社自身だと、全く素人仕事としか言いようのない対応になります。

 先程書いたように、急進期を脱する前に支払い請求をしようと思って、確認や対応依頼をすると、恐らく病状が悪化します。私自身、この対応で頓服を過剰摂取して一日半を棒に振りました。でも保険会社から見たら1万、10万の一人でしかない、レアケースだと思いこんでいるのでしょう。これも先程書いた付帯サービスにも関わることですが、上記のようにレアケースとして扱うような保険会社の場合には、商品は良くても、実際には使えないという結果にも成りかねません。きちんとは調べていませんが、休業補償に精神疾患を含んでいる生保の方が、保険料は高くなっても多少は、実態に即したサービスがあるかもしれませんね。

 そして、このような「使えない商品」にしているのは、保険会社の「漢意」が大きく影響していると思っています。他社と同等だから、金融庁の指針に適合しているから、など依拠する理由(防衛ライン)は作っておいて、利用者からのクレームを「レアケース」で片付けようとする。これが漢意です。「でも規則だから」と言うのは十分判ります。が、先程も書いたようにノーレスになったり、たらい回しにされることが規則なのでしょうか?他人事のようなメールで「謝罪です」というのも?

 ITで飯を食ってきた私から見たら、システムの使い方、設計が間違っているとしか言いようがありません。加入者をCRMに登録しておけば、複数の商品を契約していれば、その案内は簡単に出せます。「マイナンバーがないからね」なんて言い訳は、通用しないですよね。なぜなら、何十年もマイナンバーの無い中で「名寄」と言う技術を使って、個人特定を可能にしてきた歴史があるのですから。Webにしても本当に見やすい、使いやすい、リスクを加入者が理解できる設計にしているとは思えません。特に精神疾患の予備軍(と敢えて書きます)が、丹念に一文一文を理解し、申し込む事は困難です。商品のキャッチコピーと概ねが理解できれば飛びつきたくなる保険商品がアチコチで見つかるでしょう。そして保険料を考えて損保にする。と、私のような悲劇に見舞われるなんて事に成りかねません。

 簡単言えば、その保険商品の代理店ではなく、損保会社が本当に加入者に寄り添えるのか否かが、ここまでつらつらと書いてきた最大のポイントです。別の言い方をすれば、大手の損保会社ほど、長年の慣例から加入者本人に寄り添うようなビジネスをした経験がありません。「でも保険の支払い窓口は、慣れてるでしょ」と思われるかも知れませんね。それは間違いです。保険のシステムを考えと、自動化やWeb化など「販売」に関わる部分は、システム化費用を大きく掛けています。言い換えれば売上に直結するのでシステム化に予算を突っ込んでも見合うのです。ところが支払いは、恐らく一番、システム化予算の割合が低いはずです。とある生命保険での導入に当たって支払いを担当したことがありましたが、システム屋の言葉は一切、通用しませんでした。それくらい旧式のシステムを四苦八苦しながら使い、そして「これじゃ、人件費ばかり増える」となるとシステムの更新に入るのです。そのサイクルが非常に長いので現場の人たちでシステムの導入や更新の経験者がおらず、予想外にデモやモックアップを作らなければ理解の共有ができなかった記憶が鮮明に残っています。例えBtoCに慣れていたとしても、システム…デジタルデバイドと言う概念で言えば、完全に篩いにかけられるような人たちが少なからずいるのです。現にメール一本に資料を付けて送付するように依頼しても、Zipの暗号化に何分もかけ、その間、無言通話で待っていなければならなくなったこともあります。だから口八丁で済む範囲内であれば、サクサクとこなせるのでしょうが、指をキーボードやマウスに乗せた瞬間、こちらも素人になっているのですね。

 このような状況が日本の金融ビジネスの限界点を低く抑え、またホワイトカラーの生産性の低さを生み出しているのではないでしょうか?

 私のように外資のIT屋で暮らし、国内にある外資の銀行・保険・ECなどと会話をしてきた人間から見ると、日本の会社のシステム化はもはやガラパゴスと言って良いのではないでしょうか。そんなデジタルデバイドを緩和する製品の一つにRPAと呼ばれるものがあります。某社の知人に聴くと、RPAが2−3年前に爆売れしたのは日本だけだよ。と言われました。つまり欧米では、RPAに頼る必要のないシステムと人が用意されていると言う意味です。

 そしてもう一点は、システムが何のために存在しているのか?と言う根源的な理由です。日本の場合には「合理化」や「ペーパーレス」を経由して「DX」の為にと言います。外資のITベンダーにいた人たちからみたら「ほら、言わんこっちゃない」ではないですか?データが部門や担当者毎にサイロに治められてしまって、それを無理やりデータベースで一元化しようとして失敗する。結局は、どうやって属人化やサイロ化を抑制するのか。というプレゼンを2005年にはしていた記憶があります。が、その時に言われたことは「うちに自動化って言われてもね」「リアルタイム性?必要?」で終わりです。これらは、本来、少なくと欧米で売上に寄与し、顧客のロイヤリティを上げるための方策として考えられた内容でした。しかし、日本では顧客のロイヤリティよりも、金融庁や競合他社の動きが気になるだけで、顧客には目を向けてこなかったのです。そして何か事が起きると「システムがー」と言い訳にする。そして、それを聞いたシステム部門が出入りのIT業者に「お前らプロだろ」と叱責をして、要件になかったようなことまで含めて修正を求めてくる。ところが顧客が「お前らプロだろ」と言うと「私達の姿勢が悪くてゴメンね」で終わり。これで日本のIT産業が育つと思いますか?恐らくITをやっている人の8割は法令改正やOSなどの更新に合わせて黙々と作業をしているだけです。プロもへったくれもありません。そのプログラムやサブシステムに特化した専門家が育つだけです。ITを使って顧客企業に成長してもらおう。そのことで自分たちの利益も最大化できるようにしよう。なんて大和魂を持った人なんて芥子粒程度しかいないんでしょうね。残念な業界です。