fukkatsuのブログ

鬱病治療中の日記です

無表情は無感情ではない

 鬱を発症して以来、腹の底から笑えたことがありません。というか、妻から見ても喜怒哀楽が判るような表情を見せられていないと思うのです。

 では、鬱の患者本人が無感情なのかと言えば、そんな事はないのです。道を歩いていて無謀な運転の自転車に当たられそうになれば、ボソッと罵詈雑言を飛ばすこともありますし、お笑い番組を見て楽しんでいたりもします。また鬱らしく…というのか、先の事や現状を憂いて悲しくなることもあるのです。

 昔、「ジョニーは戦場に行った」と言う小説を読んだことがあります。第一次大戦に出征した主人公。彼は敵の攻撃で一命は取り留めたものの、視力も聴覚も、話すことも嗅覚も失ってしまった上に四肢を切断されてしまいます。それは、他の人から見ればただ肉体が横たわっているだけですが、主人公には意志があり、僅かに動く首と頭とで自分の考えを伝えようとしたのです。

 今の自分はジョニーに比べるまでもなく、話すことも書くこともできるのですが、意志を伝えようとする気持ちは遥かに劣っているのかもしれませんね。

 でも、感情は確実にあり、それを元に立ち直りたいという気持ちも確実にあります。なんとか、この気持をバネにして前にすすめる日が来るようにがんばります。