fukkatsuのブログ

鬱病治療中の日記です

北新地クリニック放火殺人事件について思うこと(徒然)

 先日起きた大阪 北新地でのクリニック放火殺人事件について思うこと。

 まず、他人事ではないな。と言うのが一報を聞いた印象です。対象が精神科・心療内科のクリニックであり、私も精神科の患者ですからね。普段の自分なら、多少は慌てても最善策を探すと思いますが、今の私なら最善策を探すよりも金縛りのようになって慌てるだけで終わってしまったと思います。なにせバッグの中を探すだけでも慌てていると見つかるものも見つからないのですから。

 そして死者の多さです。当日はリワークプログラムが行われていて、普段よりも患者が多かった様子。クリニックの写真を見ると私がお世話になっているクリニックよりも待合室も小さいようですし、リワークが無ければ被害は最小限に抑えられたかも知れませんが…。しかし、密閉空間の中でガソリンを使われれば死者が出ることは避けられないでしょう。それは新幹線での放火殺人でも判っていることですし、古くは新宿西口のバス放火や青森のサラ金殺人、そして京アニの事件など枚挙に暇がありません。政府・当局も様々な規制強化を図っているようですが、一方でガソリンを使うことは一般の生活では当たり前の事になっていますし、規制強化によって不便を通り超えて死活問題になるような方も出かねません。基地外にガソリン。なのですが、例えば私のような鬱の患者で危険性が低く、かつバイクなど、少しの給油が必要なケースでガソリンを携行できなくなれば、いざという時に何もできない人もいるでしょう。使い方一つで凶器と言うよりも大量殺人兵器にすらなる代物だと言うことを個々人が認識する必要がある。としか言いようがありません。

 その一方で、容疑者が(現時点で)未逮捕ながら氏名と顔が公表されたことは大阪府警等の英断として認識しています。報道を見ていると被害にあったクリニックに通院歴があったようですし、これまでは精神科に通院歴があると報道自粛として氏名も不詳なまま報道が為されていたことから考えると、異例なのかもしれません。

 逆に言えば、被害にあったのは医院長やスタッフの他は多くの患者さんたちです。この事から、精神科や精神科の患者に対して謂れのない差別や恐怖心が煽られないことを願いますし、また同時にお亡くなりになった皆様のご冥福をお祈りし、被害に遭われ治療をされている皆様が一刻も早く火災による身体的、そして心理的な外傷から回復されること、またご遺族へのお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、裁判所あるいは裁判員等で担当される皆々様には、事件の規模だけではなく、計画性、残忍さと「責任能力」の言葉の意味を勘案してご遺族や被害者の皆様のご理解を得られる判決、そして判決結果の執行を願ってやみません。

 精神科に通うものとして、様々な国や自治体、企業、そしてクリニックや家族などからの庇護、支援があることを理解して参りたいと思いますし、同様に、患者の皆様が同様に被害者意識だけではなく、自身が様々な形で守らていると認識をして頂ければと僭越を承知で書いております。

 私自身、健常者、非「精神疾患」の間には税は取られるもの、福祉行政は他人事と思うところがありました。しかし、一旦、精神疾患となると様々な支援制度があります。当然、国や自治体は親でも子でも本人でも家政婦でもないのですから、支援には穴もあれば面倒もあります。しかし、それでも細々としたところにまで様々な支援が行われています。他国の状況は知りませんが、少なくとも福祉制度としては高い水準なのではないかと考えています。そう実感しているだけに、このような犯罪を犯し、しかももし、リワークとして会社への復職や求職の努力をしている人達を無惨に犠牲者とした犯人を許す気にはなれないのです。

 重ねてとなりますが、犠牲者の皆様のご冥福、被害に遭われた方々のご快癒、そして遺族の皆様へのお見舞いを心から申し上げたいと思います。